第2回 「お釈迦さま誕生のお話」 05/3/15 Up!

4月8日はお釈迦さまの誕生日ですよ

今回は、お釈迦さまの誕生のお話です。
 きっとみなさんも知っていると思いますが、誕生日は4月8日。この日を、通称『花祭り』と言って、花で飾った誕生仏にお参りする日です。では何故、お釈迦さまの誕生日を『花祭り』と言うのか・・・。
この答えは、後ほどにするとして、まずはお釈迦さまの、お父さんとお母さんのお話をしましょう。

 釈迦さまのお父さんは、シュッドーダナという国王です。ちなみに漢字では、浄飯王(じょうぼんのう)と書きます。名前の中に「飯」の字がありますが、これは、この時代には稲作が盛んであったことがうかがえますよね。
 話を戻して、インド北西部、ガンジス川を上っていくと、ヒマラヤに突き当たります。その山麓に、カピラバストゥという国がありました。迦毘羅国と漢字では書きます。カピラという名の仙人が、大昔にこの近くに住んでいた縁で、名前が付いたそうです。そして、このカピラバストゥが、釈迦族の王シュッドーダナ王の治めていた国です。
 王のお妃さまの名は、マーヤ。摩耶と書き、お妃さまなので、摩耶夫人と呼びます。この摩耶夫人は、釈迦族の近隣である、コーリヤ族出身だったそうです。
 個人的な話になるんですが、私の友人に長女が生まれました。もちろん、その子に名前を付けなければなりません。色々画数など調べて、付けた名前が、摩耶。この摩耶夫人の摩耶です。
 仏教徒にとっては、これほど、最上の高貴な名前はないのではないでしょうか。摩耶って名前の女の子が、日本中にいっぱい増えて欲しいと思います。
 

白い象は幸せをよぶ??釈迦の誕生

 話はそれちゃいましたが、次に、お釈迦さま誕生の物語に話を進めてみましょう。
 このシュッドーダナ王の妃、マーヤさまは、ある夜、不思議な夢を見られました。空から突然、白い象が降りてきて、右わき腹に入る夢でした。これは、「世界中の人々をお救いになる、そんな偉大な王子が生まれますよ。」という、おつげの夢だったんです。

 子供の頃の話なんですが、私も、この話を聞いて、枕元に象のぬいぐるみを置いて寝てました。そして、楽しい夢を見て、その夢が現実になるような・・・そんなちょっとした、おまじないです。仏教では、象は神聖な生き物ですから、みなさんも、枕元に象のぬいぐるみを置いて夢の時間を待つ!なんていかがですか?きっと、いいことがありますよ。

 またまた、話がそれちゃいましたが、マーヤさまは、懐妊されてから10ヶ月が経った頃、王子が生まれる用意や、ご両親に会われるために、里帰りをされたのです。その旅の途中、カピラバストゥから25キロほど離れた、ルンビニ(藍毘尼園)というところにさしかかった時、この場所で一休みなされました。そして、サーラという木の下にいらっしゃる時に、お釈迦さまをお生みになられたのです。
 その時の伝説では、お生まれになったお釈迦さまを、まず、梵天と帝釈天の二人が、お釈迦さまを受け止めました。そして、二人の竜王がそのお釈迦さまに甘露水を注いで清めます。その時、ハスの花が忽然と咲き、その上にお釈迦さまが立たれると、7歩歩いて立ち止まり、四方八方を見られてから、右手を天に向け、左手を大地に向け、「天上天下唯我独尊」とおっしゃったのです。
 これが有名なお釈迦さまの誕生の伝説です。それを、降誕会とか、潅仏会とか言って、花御堂の中に、生まれたばかりのお釈迦さまの仏像を置き、さらに、竜王にならって甘茶をかける法要が行われます。これを花祭りというんです。
インドや中国では古くから行われていたようですが、日本では推古天皇の時代には伝わっていたようです。東南アジアの小乗仏教でも、5月にウェーサーカ祭という祭りが開かれます。
 
 

すべてのものに祝福をうけて・・・

 『スッタニパータ』というお経に書かれている、このお釈迦さまの伝説の続きを紹介しましょう。
三十人の神々と帝釈天が、とても喜んでいる姿を、アシタという名の老いた仙人が目撃するのです。不思議に思ったアシタ仙人は神々にたずねました。

「何をそんなに喜んでいらっしゃるのですか?阿修羅との戦いに勝たれた時ですら、そんなに喜んでいらっしゃるお姿を見たことはありません。何ゆえに、歌ったり踊ったりと、そんなに喜んでいらっしゃるのですか?」

 神は答えました。
「無比の宝である未来の仏は、衆生の済度、安楽のために、人間世界に生まれたのです。我々はそのことを非常に喜んでいるのです。彼はいずれ、猛き獅子が百獣にうちかって吼えるように、法を説くであろう。」と。

 こう聞いたアシタ仙人は、この生まれた王子に会いたくなり、カピラバストゥの城に出向いたのです。そして、抱きかかえると、呪文を唱え、顔の相を調べたのです。すると、アシタ仙人、いきなり泣き始めたではありませんか。びっくりした王は、我が子の世継ぎに、障りがあるのかと心配になりました。

しかし、仙人はこう話ました。
 「この王子は最高の悟りに達するでしょう。多くの衆生をあわれみ、法を説くでしょう。しかし、私はこのように年老いているために、王子が法を説いてくださる前に、この世を去ってしまいます。この王子の教えを聞けないことが悲しいのです。」

 城から帰るアシタ仙人は、一緒に連れてきた、甥っ子のナーラカにこう言ったそうです。
「いずれ真理に目覚めた人が教えを説いている。と、噂を聞いたなら、その元に行って、教えを聞き、清らかな行いをしなさい。」

 そして数十年後に、このナーラカはお釈迦さまのもとにたどり着くのです。
 
まさに感動的な物語だと思いませんか?今、我々はお釈迦さまの法に触れることが出来ます。その中で生まれ生かされています。このアシタ仙人のように、悲しむ必要なんてありません。幸せに満ち溢れているはずです。しかし、現実はそうではありません。お釈迦さまの法に触れようと、教えに耳をかたむけようとする人は、本当に少なくなってしまいました。

 4月8日はお釈迦さまの誕生日。尊い方の生まれた日です。他宗教と比べてみても、ここまで祝福されて生まれてきた、宗教の指導者はいません。まさに、人間だけでなく、全ての命の誕生を意味するんですね。鳥や猫も、お釈迦さまの誕生を祝福しました。なおさら、人として生まれてこれたなら、感謝の気持ちを持って、お祝いしないとダメですよね。花の一輪でも飾って、お釈迦さまの誕生日をお祝いしましょう!
 <GENYO>

第2回 終
次回へつづく・・・第3回